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介護・看護ロボットについて
数日前のことになりますが、フィンランドを訪問中の小泉首相がフィリピンのアロヨ大統領と会談し、経済連携協定を結んだとのこと。この協定により、日本は初めて外国人看護士を受け入れる運びになるようです(ただし色々と条件はあるみたいですが)。

少子高齢化社会が引き起こす看護や介護の場面における労働力不足を補う一つの策として、ロボットの導入がメディアで取りあげられることはしばしばあっても、外国人労働者の雇用拡大については、日本独特の国家的人種観や単一民族神話がある種の文化的抵抗力となり、その法制化が歪な形で行われてきた歴史があります。

現実に介護ロボットとは言っても、まだ本格的な実用化の段階に入っているわけでもなく、実際のところは実験段階で試行錯誤している状況のようですし、むしろ介護にロボットが使えるというのは、多くの場合開発資金を得るため、さらにはロボット研究の実用的意義を正当化するための仮説に留まっていると言っても過言ではないのではないでしょうか(と、ここまで言ってしまったら、開発現場の人に怒られるでしょうか)。

とはいっても、僕はこの分野でのロボット開発そのものに否定的になっているわけではありません。むしろ、介護や看護の場面にロボットが入ってくることで、看護する側にも看護される側にも様々なメリットが生まれる可能性は大きいとすら考えています。

ただ、僕が問題にしているのは、ロボット看護・介護の近い未来における実現化を楽観的に唱えてしまっている現在の社会の風潮です。看護・介護ロボット開発の現状やそれが使われるであろう現場からの要求が直視されることがあまりないどころか、万博などのお祭り的雰囲気の中で、「テクノロジー大国日本」とでも呼べる国家的な言論が現実を吸収し、幾多の楽観的未来像を作り出しているのです。

この領域での労働力不足が深刻な状況に達しつつある今、看護・介護ロボットの実現化について仮説レベルでの議論を繰り返し、いつ出来るかわからない技術を夢見るよりも、もっと現実的に外国人雇用の大掛かりな法制化を考えるべきだと思うのですが、前述したような文化的抵抗力もあって、この問題を真剣に議論するのを避けるかのごとくロボットの可能性に寄りかかっているわけで、僕はこの現状が問題だと考えているるわけです。

しかし、今回のニュースが目に飛び込んできて、「結局水面下では動いていたんだなあ」と感じるに至ったのでした。

ところで、看護という肉体的にも精神的にも「きつい仕事」の空いた席を、ロボットと外国人という社会における「他者」で埋めてしまおうという方向性は色々な意味で注目に値するのではないでしょうか。外国について考えることが日本を考えることに繋がり、また人間型ロボットを製作することが人間について知ることになるように、「他者」は「自己」の反射装置として働くわけですが、「外国人」(今回の場合はアジア人ですね)看護士が入ってくることで、今までの看護士は改めて「日本人」看護士というラベルで、新たな社会的意味や役割を持たされることになるような気がします。

例えば、首都圏のレストランにおいては、調理するのはほとんど機械で、それを操縦するのはアジア系の外国人、そしてテーブルでのサービスが日本人という状況はそれほど珍しいものではなくなってきましたよね。もしかしたらこういう状況が看護・介護の分野でもおきるのかもしれません。「ロボット的」ともいえる機械的な仕事は外国人看護士、そしてコミュニケーションを中心としたメンタルな部分に関わってくる仕事は日本人看護士といった様に。もちろん、違った可能性も十分考えられます。

そして、いつの日かこの場面にロボットが入ってきたら、この三者の住み分けはどうなるのか。おそらく最初は、肉体労働の部分(ベッドに乗せたり降ろしたりといった)を補完する機械として使われるのでしょうが、そのうちお決まりの人間型が生み出され、コミュニケーションなど人間が出来ることまでもロボットにさせるようになってしまうのでしょうか。

おそらく、僕の知っているロボビルダーさんたちは、将来はロボット介護を望むのかな。いや、すぐバラバラに分解しそうな人たちばかりだから、介護にならないか(笑)。
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2006-09-14 09:25 | ロボット論・学問 | Comment(3) | Trackback(0)
Comment
ロボットが出来るのも考えものですね。
WWWMMM 2007/07/29(日) 20:37:32) 編集

凄いですね
さーーーーーーー 2008/02/04(月) 10:33:39) 編集

 各病院に一つずつ設置されたらいいですね(-。-)・・・。       
ささ 2008/02/04(月) 10:40:06) 編集

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