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プロとアマとの境目
ミクシィにも書いたのですが、先日、DEMOSというイギリスのシンクタンク所属の研究員が書いた論文を読む機会がありました。タイトルは"The Pro-Am Revolution: how enthusiasts are changing our economy and society" 70ページにも及ぶかなり長い論文です。 (ここでダウンロードできます)

プロアマと呼ばれる好事家たちがいかに技術革新を起こすのかという内容なのですが、これが非常に興味深い。

このプロアマというのはプロフェッショナルアマチュアの略語で、プロ基準の技術レベルを持ったアマチュアという意味です。その論文いわく、テクノロジー関連のみならず、ガーデニング(イギリスが事例なので)、ロッククライミング、サーフィン、ミュージック、天文学、プログラミング、その他もろもろと、ホビーといわれる領域で多岐にわたって技術レベルの向上が革新的に進んでいるというのです。

アマチュアの対義語としてプロフェッショナルという言葉が使われますが、実はプロフェッショナルというカテゴリーが本格的に台頭するのは19世紀の終わりから20世紀に入ってからで、資本主義のシステムが高度化するのと平行して分業制が拡大し、ある技術に特化した職業集団が生まれてくることとなります。 20世紀のテクノロジーは、これらの研究機関に所属するプロフェッショナル達によって先導されてきたのです。

プロフェッショナル誕生以前は、飛行機産業、通信産業、天文学といった分野の発展において、アマチュアが重要な役割を果たしていた歴史があるわけですが、20世紀も中盤になると、その技術差においてプロとアマとの境界が歴然となります(ここでの技術差とは、アマチュアには、企業や研究所で使われている高度なテクノロジーにアクセスする手段がほとんどないということに起因しています)。

しかし、その論文によると、90年代を過ぎた辺りから、プロアマと呼ばれる非常に高い技術を持った集団が、仕事ではなく遊びの一環として技術革新にまで関るようになってきたとのこと。 アマの技術がプロ並に上がってきたというより、プロとしてのバックグラウンドがある人が自分の技術を余暇で何か別のことに使い始めたという流れのほうが大きいと思います。特にテクノロジー関連はその傾向が強いでしょう。

そして、このテクノロジーの領域に関して言えば、以前は企業や研究所に所属しているプロフェッショナルにしか使うことのできなかった機材やソフトウェアが徐々に個人レベルで使用可能になってきているのは重要なポイントでしょう。

さらに、プロアマたちのフットワークの軽さも指摘されています。企業や研究所といった組織が足かせにならず、思い立てば実験を開始できるというスピードと既存の理論や常識に左右されない、むしろ遊び心でそれを壊していこういう試みは、特に新しい技術の創世記にはなくてなならないものだそうです。

まあ、ROBO-ONE関係の人々にとっては、改めて言われるまでもなく当然のことなのでしょうけど、面白いのは、イギリスの政府に非常に近い位置にいるこのシンクタンクが、将来の技術革新のためにこういったプロアマ達の技術を旨く利用し、またその数を増やすための政策を提言していることなんです。

まあ、アマチュアは権力から自由でありたいわけですし、面白いから打ち込んでいるわけで、官が介入することで場が面白くなくなってしまうと本末転倒なのですが。 
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2007-11-15 08:43 | ロボット論・学問 | Comment(0) | Trackback(0)
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